私たちの主食、命の根であるお米。
お米のありがたみを
今一度身近に感じてみませんか?
稲作で稔りある一年を…
伊勢の神宮では稲作の周期と共に、年間1500回に及ぶお祭りが行われ、その中で大御神のご神徳をたたえ、ご神恩に感謝し、「国安かれ、民安かれ」と、国家の隆昌と国民の幸せをお祈りしています。
しかし現代では、米がどこで、どのように、どんな人の手で作られているのかを子どもたちが知る機会は、なかなかありません。バケツでの稲作りは、子どもたちがそれぞれのバケツの小さな田んぼで、一粒の種もみから、稲が成長し、収穫し、お米にして食べるところまで体験できます。
稲を育てる苦労や困難を乗り越えた先にある収穫の喜びは格別です。
古来、いかにして稲作が日本人の生活と結び付いてきたのか、
そして神宮の祈りについて興味を持っていただけると幸いです。
日本人とお米の絆
●稲作のはじまり
天照大御神が御孫である
瓊瓊杵尊
を地上に降ろされる際、三種の神器(
八咫鏡
・
草薙剣
・
八尺瓊勾玉
)を授けました。
さらには「稲が豊かに稔る素晴らしい国にし、国民が平和で暮らせるようにしなさい」と、「
斎庭
の稲穂」を託されました(「斎庭の稲穂の
神勅
」)。日本人の主食であるお米は、この稲穂が日本全国に広がったものと神話は伝えます。
●受け継がれる日本人の精神
天照大御神が託された「斎庭の稲穂」。古来、お米は生きてゆく糧として大切に受け継がれ、日本人は稲作を中心とした生活を営んできました。
また、天皇陛下におかれましては、皇居内の水田で御自ら種を蒔き、御田植え・稲刈りをなされます。収穫された御稲穂は、天照大御神の御鎮座される伊勢の神宮に御初穂として御献進されるのです。
わからないことがあったら
相談室に質問してね!
バケツ稲づくり相談室
TEL.03-6281-5822
10:00〜17:00(土日祝・年末年始除く)
稲作スケジュールと
稲作に関わる神宮の祭典
1月 |
きねんさい
祈年祭
(2/17〜23)
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祈年祭は春の耕作始めにあたり、五穀豊穣を祈るお祭りで、「としごいのまつり」とも呼ばれます。「とし」とは稲の美称であり、「こい」は祈りや願いで、米を始めとする五穀の豊かな稔りを祈ることを意味します。稲の育成周期が日本人の一年といえます。 |
|
2月 |
3月 |
4月 |
しんでんげしゅさい
神田下種祭
(4月上旬)
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神田下種祭は神嘗祭をはじめ諸祭典にお供えする御料米の
忌種
を神田にまくお祭りです。 |
5月 |
おたうえはじめ
神田御田植初
(5月上旬)
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神田では、天候不順や台風などの被害を最小限にとどめるため、多くの品種を育て、また田植えは時期をずらして行います。 |
かざひのみさい
風日祈祭
(5/14)
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両正宮をはじめ諸宮社の大御前に
幣帛
・
御笠
・
御蓑
を奉り、天候が順調で風雨の災害がなく、五穀の稔りが、豊かであるようにお祈りします。 |
6月 |
つきなみさい
月次祭
(6/15〜25)
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皇室の弥栄、五穀の豊穣、国家の隆昌、並びに国民の平安を祈願します。 |
7月 |
風日祈祭
(8/4)
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農作物の成育期にあたり、天候が順調で風雨の災害もなく五穀の稔りが豊かであるよう、御幣を捧げてお祈りするお祭りです。
古来、旧暦の7月・8月の2ヶ月の間、風雨の平安と五穀の豊穣を朝夕日毎に祈願する「
日祈内人
」と呼ばれる特別な職掌による神事が行われていたことが記されています。 |
8月 |
9月 |
ぬいぼさい
抜穂祭
(9月上旬)
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10月の神嘗祭をはじめ、諸祭典にお供えする御料米の初穂を抜き奉るお祭りです。忌鎌で稲を刈り、その穂を一本ずつ抜いて束ね、内宮は御稲御倉に、外宮は忌火屋殿内に奉納し、祭典前にお下げします。 |
10月 |
かんなめさい
神嘗祭
(10/15〜25)
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その年に収穫された新穀を最初に天照大御神に捧げて、御恵みに感謝するお祭りです。神嘗祭では、内宮外宮の内玉垣に天皇陛下から奉られた御初穂を始め、各地の農家から寄せられた稲束(
懸税
)が奉献されます。 |
11月 |
にいなめさい
新嘗祭
(11/23〜29)
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収穫された新穀を神に奉り、その恵みに感謝し、国家安泰、国民の繁栄をお祈りします。
現在、このお祭りは毎年11月23日に宮中を始め、日本全国の神社で行われていますが、 特に宮中では天皇陛下が自らお育てになった新穀を奉るとともに、御自らもその新穀をお召し上がりになります。収穫感謝のお祭りが11月下旬に行われるのは東北や北陸などの収穫を天皇が待っておられると説明されています。 |
12月 |
.
月次祭
(12/15〜25)
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皇室の弥栄、五穀の豊穣、国家の隆昌、並びに国民の平安を祈願します。 |
※お住まいの地域によって稲作の時期は多少前後します。